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ファクター分析で株式ポートフォリオを健全に

 

 
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スコット・クラウトハマー (写真)
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
株式部門 マネジング・ディレクター
 
 
 
ウォルト・チェイキー    
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
株式部門 シニア・ポートフォリオ・マネジャー
 
 
 

 

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2017年9月19日

 
 
近年、ファクターと呼ばれる株式のさまざまな特性値を重視した投資手法を用いる株式投資家が増えている。効率的な投資を行うためには、さまざまなファクターがそれぞれどのようなもので、景気サイクルの各局面でどうパフォーマンスに影響するのかを十分に理解しておくことが重要だ。
 
「正しい」株式ポートフォリオというのは、それぞれの投資家により異なるものだ。通常は、リスク許容度と期待リターンが起点となる。これに加え、市場の先行きや、企業および産業の動向などに対する見解がポートフォリオの構成に大きく影響するだろうし、マクロ経済見通しも、ますます重要視されるようになっている。最近では、ファクターを重視する投資家も多くなっている。
 

代表的な3つのファクター  

では、まずファクターとは何なのかというところから始めよう。ファクターとは、端的に言えば、それにより異なるリターン傾向が予想される株式の特性のことで、一般的には次の3つが代表的なものとされている。
 
・サイズ  例えば時価総額50億米ドルを境目とし、それ以下の小型株であるのか、それ以上の大型株であるのか
 
・スタイル 利益成長率の高いグロース株なのか、株価純資産倍率などから見て割安なバリュー株なのか
 
・リスク  ベータ値の低い低ボラティリティ株は概してベンチマークと比べて安定したパフォーマンスを示す
      ため相場の下落局面において抵抗力がある
 
もちろん、投資判断にファクターを活用するのは新しいことではない。バリュー投資やグロース投資を行う投資家は、何十年も前からスタイル・ファクターをポートフォリオ構築に役立ててきた。バリュー株とグロース株とでは異なる市場局面で良いパフォーマンスを示す傾向があるため、双方へのエクスポージャーを管理することでリターンのブレを抑制しやすくなる。
 

スマート・ベータ・ブーム  

ここ数年は、さらなる技術的な進化が見られる。ファクターを用いた計量分析に基づいてエクスポージャーを調整するスマート・ベータ運用が普及したのだ。技術的な進化により、高成長や低ボラティリティといった特性を始めとするさまざまなファクターを選好する、膨大な数のスマート・ベータ運用が生み出された。
 
ところが、それは問題の始まりでもあった。ファクターは、ポートフォリオがアクティブ運用であってもパッシブ運用であっても比較的容易に採り入れることが出来るが、各ファクターに対するエクスポージャーがパフォーマンスにどのような影響を与えるのかについて、理解していない投資家が多いからだ。また、ファクターに基づくポートフォリオ構築は計量ツールを用いるが、ファクター自体は市場のファンダメンタルズに影響を受けるものであって、独立したものではない。
 

景気サイクルも重要  

ファクターはマクロ経済のサイクルの影響を特に大きく受ける。例えば、小型株とバリュー株は、企業収益が全般的に増加する景気サイクルの回復期に、最も良いパフォーマンスを見せる傾向がある(図表1)。また、グロースや高クオリティ(財務健全性)といったファクターは、経済成長がピークに達し減速する局面、すなわち増益企業が希少になる時に最も良いパフォーマンスを示す。一方、低ボラティリティ株は、景気サイクルの回復期には他のファクターに遅れを取る傾向があるものの、景気後退期には底堅さを示しアウトパフォームする傾向がある。
 
 
 
 
 
各ファクターのパフォーマンスは景気サイクルと関連が高い.png
 
 
 
その結果、その時々で優位なファクターは常に変化しており、時には劇的な変化も生じる(図表2)。2016年は小型株とバリュー株がアウトパフォームしたが、2017年はモメンタム株とグロース株が市場を牽引している。また、低ボラティリティ株は、2011年には最も優れたパフォーマンスを上げたが、翌年は低迷した。
 
 
 
リターン上位ファクターの推移.png
 
 
 
このような変動を見ると、各ファクターに対するエクスポージャーを理解することが、期待リターンの管理においていかに重要かが分かる。しかし、実際には多くの投資家が、ポートフォリオのエクスポージャーがどの程度なのか理解していない。それは、投資環境が不利な方向に変化した時には、多くの投資家が望まざるサプライズに見舞われる危険性があるということだ。
 
自らの株式ポートフォリオの各ファクターに対するエクスポージャーを知ることは、投資家がリスクや投資機会に備える一助となる。景気の先行きに対して確信がある場合には、ファクターを用いることによって、来るべき市場環境に最も適したポートフォリオを構築することが出来るだろう。景気の先行きに対して強い意見がない場合でも、ファクターを理解することで、市場で起こりうる変化に対するポートフォリオの弱点を把握し、調整を加えることができるだろう。長期的な投資目的とリターン予測に沿った投資戦略を維持して行くためには、ポートフォリオのファクター・エクスポージャーを適正に保つことが不可欠だ。 
 
 

 

 

 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

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本文中の見解はリサーチ、投資助言、売買推奨ではなく、必ずしもアライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)ポートフォリオ運用チームの見解とは限りません。本文中で言及した資産クラスの過去のパフォーマンスは将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。 本文中の見解はリサーチ、投資助言、売買推奨ではなく、必ずしもアライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)ポートフォリオ運用チームの見解とは限りません。本文中で言及した資産クラスの過去のパフォーマンスは将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。 
 
当資料は、2017年8月3日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。当資料中の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。アライアンス・バーンスタインおよびABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 
 
 
 
 

 

 

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