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不安定な市場で安定的なリターンを得るには

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デビッド・ダルガス(写真) 
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
グローバル・コア株式運用戦略 最高投資責任者
 
 
 
クラウス・インゲマン    
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
グローバル・コア株式運用戦略 ポートフォリオ・マネジャー
 
 

 

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2017年6月8日

 

「コア株式」と呼ばれる、特定のスタイルへの偏りを持たない運用手法にとって、2016年が安定したパフォーマンスを上げにくい年だったのはなぜだろうか?本来は市場内のさまざまな領域ごとに生じるリターンのぶれの影響を回避するための戦略であるにも関わらず、不規則な市場変動により、その脆弱性があぶり出されたのかもしれない。
 
2016年のグローバル株式市場におけるリターンのパターンは大きく変動した(図表1)。これは、バリュエーション、モメンタム、収益性といったファクター別のリターンを見ると明らかだ。ボラティリティが比較的低い、あるいは配当が比較的高いために「より安全」だと一般的に考えられている銘柄が、2016年前半はMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(MSCI All Country World Index: ACWI)を大幅にアウトパフォームした。ところが、第3四半期になるとそうした銘柄は失速し、大幅なアンダーパフォームとなった。  
 
 
 
乱高下するリターン.png
 
 

 

高モメンタム株とバリュー株の方向転換  

高モメンタム銘柄(直近のパフォーマンスが高かった銘柄)も、第2四半期には大幅にアウトパフォームしたが、第3四半期にはアンダーパフォームとなり、予測困難な動きをした。同様に、第4四半期の米大統領選後に急騰したバリュー株(株価収益率などの指標で見て割安な銘柄)の動向もめまぐるしく変わった。
 
このように、多くの株式運用者にとって、2016年は難しい局面だった。特に、個別銘柄選択をベースとするポートフォリオは、不安定で厳しい運用を迫られた。例えば、最少分散やグロースといったスタイルの運用者は、目まぐるしく変化する市場環境下、通年ベースで市場全体をアウトパフォームするのに苦労した。
 

コア株式の苦戦

コア株式ポートフォリオも苦戦した。グローバル・コア株式戦略のうち、MSCI ACWIをアウトパフォームしたのは、2016年は前半・後半いずれも全体の半数に満たなかった(図表2)。前半・後半ともにアウトパフォームしたのは13%に過ぎず、全ての四半期でアウトパフォームしたのは僅か8%だった。
 
 
 
 
コア株式運用のパフォーマンスも荒れ模様.png
 
 
 
この低調なパフォーマンスの原因はなんだったのか?それは、多くのコア株式運用が、意図しない形で何らかのファクターに関しバイアスを持ってしまっていたためだと考えられる。それらのファクターは長期的なリターンの源泉になり得るが、短期的にはパフォーマンスの乱高下をもたらすこともあり、2016年はそれを思い知らされた年だった。 
 
確かに、バリュー株やグロース株といったスタイル型のポートフォリオは、それぞれのファクターごとのリターンのボラティリティに影響を受けやすい。しかし、注意深く銘柄を精選し入念なリスク管理を徹底すれば、そうした問題にも適切に対処することが出来る。コア株式は、そもそも特定のスタイルへのバイアスを排したポートフォリオだ。しかし、実際には選別した銘柄が図らずも特定のファクターやスタイルに偏向していることに運用者自身が気づかないことがある。そしてそれが想定外のパフォーマンスのぶれとなって現れてくるのだ 。
 

リターンの不規則な変動は続く見通し   

2016年のリターンの不規則な変動は、一時的な異常現象という訳ではないかもしれない。政治リスクや金融政策の動向により市場の不透明感は更に増すことが予想されるため、2017年も引き続きリターンの乱高下があり得る。そのため、個別銘柄選択の有効性も、低下したり逆に増大したりする可能性がある。実際、2017年第1四半期はバリュー株が勢いを失い、グロース株、高クオリティ株、そしてモメンタム株がベストなパフォーマンスを見せた。
 
このような環境下においては、個別企業のファンダメンタルズを精査することが殊更に重要だと考えている。すなわち、キャッシュフローや事業動向などのリサーチにより、それぞれの企業が長期的にリターンを生み出すのに必要な基礎的な条件を備えているかを確認するということだ。また、特定ファクターに対する想定外のバイアスが生じないよう、ポートフォリオを常に点検しなければならない。この2つの原則をしっかりと守れば、コア株式ポートフォリオは、さまざまなファクターに起因するパフォーマンスの急変がもたらす影響を回避し、乱高下する市場においてもより安定した長期的リターンを狙うことができると考えている。
 
 
 
 
 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

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当資料は、2017年5月15日現在の情報を基に、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。文中の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨 するものではありません。 当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。アライアンス・バーンスタインおよびABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 
 
 

 

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