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米国小型株は再び上昇軌道に乗れるか?

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ジェームス・マグレガー 
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
中小型バリュー株式運用 最高投資責任者
 
 
 
 
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ブルース・アルノウ    
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
米国中小型グロース株式運用 最高投資責任者
 
 
 
 
 
 

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2017年5月1日

 

過去1年間の米国小型株の絶好調は、市場全体を活気づけたトランプ・ラリーもひと役買ったが、基本的には堅調な米国経済に支えられてきたものだ。この相場にはまだ上昇余地があるものの、足元の調整局面を乗り越え上昇が再開した際には、より選別的な投資が必要になると考える。
 
昨年の米国小型株の上昇には目を見張るものがあった。小型株と中型株で構成されるラッセル2500指数は2016年に17.6%上昇し、12%高だったS&P500指数を大幅に上回った。その結果、小型株は過去数年間の遅れをだいぶ取り戻したが、それでも完全に大型株指数に追いつくには至っていない(図表1)。2017年1-3月期には小型株の回復が一服し、ラッセル2500指数のリターンは市場全体の3分の2程度である3.8%にとどまった。 
 
 
 
小型株にはまだ遅れを取り戻す余地.png
 
 
前述のように、小型株の回復を真に後押ししているのは米国経済の回復だ。2009年に始まった景気拡大はなお勢いを増しており、失業率が過去最低水準に低下するとともに、賃金も上向いている。トランプ政権の政策は詳細がまだ明らかになっていないものの、減税や規制緩和に関する提案は成長率のさらなる加速への期待を高めている。こうした環境は、国内事業の比重が高く、実効税率がより高く、より厳しい規制に縛られている小企業にとって追い風となる(以前の記事 『トランプ政権誕生は米国小型株に追い風か』 ご参照)。  
 

何でもいいわけではない  

このように、アライアンス・バーンスタイン(以下、AB)では小型株に対する強気の見方を維持しているが、それでも投資家はより選別的な投資を行うべきだと考えている。マクロ経済面の環境やトランプ大統領の政策は様々な企業や業界にそれぞれ異なる影響を与えるからだ。例えば、金利上昇は銀行株にとって好材料だが、金利に敏感な上場不動産投信(REIT)や公益事業会社には悪影響を与える。新たな貿易障壁は、海外からの輸入品と競争している国内比重の高い企業にプラスとなるかもしれないが、輸入コストの上昇に直面する多国籍大企業の下請けとなっている小企業はあおりを食う可能性がある。また、過去1年間の株価上昇を受け、バリュエーションにも目配りが必要となっている。地政学的要因や金融政策、政府の財政および規制政策などを巡る不透明感が高い現在の状況においては、実践的かつ機動的な戦略が求められる。
 

出遅れた景気敏感銘柄や高成長銘柄に投資機会

だからと言って、魅力的な投資機会が見当たらないわけではない。過去5年間にわたる小型株の上昇は、ヘルスケア、不動産、生活必需品、公益セクターなどにおける安定収益・高配当銘柄に偏りすぎており、テクノロジー、資本財・サービス、エネルギーなどの、より景気敏感でグローバルなセクターは出遅れてきた。配当によるインカム収入や安全性を重視する投資スタンスも、利益を事業に再投資する傾向の強い高成長企業を遠ざける要因となってきた。
 
このように投資家の選好に偏りが生じた結果、放置されてきた景気敏感小型株の一部は、株価収益率(PER)が市場全体との対比で見ると過去30年近くで最低水準に落ち込んでいる。一方、ディフェンシブな小型株の一部は相対バリュエーションが最高水準にある(図表2)。高クオリティで長期的な成長ストーリーのある銘柄も非常に魅力的に見える。経済の足腰が力強さを増す中、こうしたバリュエーション・ギャップは、十分な手間をかけて魅力的な銘柄を探す投資家に豊富な銘柄選択機会をもたらしている。 
 
 
 
 
景気敏感銘柄はバリュエーションが魅力的.png
 
 
 
 

アクティブなアプローチ   

こうした環境下では、指数に連動するパッシブなアプローチには大きく不利な点がある。例えば、新たな政策や経済動向が個別企業に及ぼす様々な影響をうまくポートフォリオに反映できないばかりか、過大評価されて時価総額が大きくなっている銘柄に投資が集中してしまうリスクも避けられない。
 
小企業が具体的な政策提案にどのような反応を示すかについて、ひとくくりに判断を下すのは危険である。政策提案が実際に法律になる過程で、中身が非常に異なるものに変わってしまう可能性もある。割安で高クオリティな銘柄に投資できるのに、なぜ凡庸な銘柄で満足する必要があるだろうか?個別企業の収益ドライバーに焦点を当て、環境の変化に応じて投資スタンスを調整する柔軟性を維持することが最も好ましい投資行動だとABが考えているのは、それが理由である。
 
 
 
 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

https://blog.abglobal.com/post/en/2017/04/can-small-caps-resume-their-rocket-ride

 

 

 

当資料は、2017年4月10日現在の情報を基に、アライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)が作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。文中の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨 するものではありません。 当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。アライアンス・バーンスタインおよびABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 
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