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改革政策と技術革新が広げるインドの消費市場

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リリアナ・ディアース(写真)
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
エマージング・コンシューマー株式運用/
インターナショナル・ディスカバリー株式運用 ポートフォリオ・マネジャー
 
デニース・ボイントン    
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
エマージング・コンシューマー株式運用 シニア・リサーチ・アナリスト 兼 共同ポートフォリオ・マネジャー
 
 

 

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2017年4月20日

 
 
 
インドでは政府の改革政策が経済の姿を一変させている。改革は痛みも伴うが、インドの消費者は変化を受け入れ、将来に自信を持っている。それは投資家にとっても新たなチャンスをもたらす可能性がある。
 
インドは広大な国で、29の州がある。公式言語は22種類あり、方言にいたっては1,652種類にも上る。3月に行われた地方選挙はナレンドラ・モディ首相の支持基盤を固めるものとなったが、改革政策に加えてテクノロジーの力が、多様性に富むインドの統合を後押しし、ビジネスモデルを変革し、消費トレンドに影響を与えている。
 
アライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)の株式チームは最近、インドの様々な大都市や地方都市を訪れ、あらゆる年齢層の人々に話を聞いた。調査の結果浮き彫りとなったのは、消費者が自信にあふれ、経済の近代化を目指した政府の方向性を概ね支持していることだった 。 
 

変化を歓迎  

例えば、昨年11月にモディ政権が実施した高額紙幣廃止に対し、国民は寛容な反応を示した。この政策では流通している紙幣の86%が無効になったと見られ、当初は大混乱を引き起こした。しかし、私たちが話を聞いた人々の多くは、この政策が、最終的にはより公平な経済システムを生み出すことにつながると考えていた。
 
バンガロールに住むプロジェクト・マネジャーのプリスヴィさん(30)は、高額紙幣の廃止により、今後数年間で汚職が大幅に減少するとの見方を示した。インドの多くの若者と同様、彼は今、支払い手段として主にクレジットカードやモバイル・ウォレットを用いている。このようにモバイル・データ・サービスを多用するようになったインドの都市住民は、3億人以上に上る。
 
モバイルでの支払いを受け入れる小売店が増加するのに伴い、若い世代の人々は現金を持つ必要性を感じなくなっている。そして、新たなテクノロジーに消極的な年上の友人や家族に対して、それを受け入れるように若者が説諭する「逆教育」とでも呼ぶべきトレンドが緩やかに広がっている。銀行口座を持たない多くのインド国民にサービスを提供するモバイル決済サービス会社にとって、高額紙幣の廃止は間違いなくビジネス機会をもたらしている 。
 

インドに芽生えるモバイル文化

インドは世界で最も魅力的な消費市場の一つである。国民の3分の2近くが35歳未満で、可処分所得は2014年から2020年までに年間17%のペースで拡大すると予測されている。
 
インターネットは新たな世界を広げ、多くのインド国民の消費パワーを解き放つ役割を果たしている。インドのインターネット普及率はわずか25%で、中国の46%や、日米などの先進国の80%以上を大幅に下回っているが、利用者数でみれば今や中国に次いで世界第2位の巨大市場となっている。スマートフォンの価格低下や通信プロバイダーによる積極的なデータ通信サービスのマーケティングを受けてモバイル機器の利用者が急増していることなどから、インターネット利用率は2022年までに倍以上に拡大すると見込まれている(図表1)。
 
 
 
 
 
スマートフォンの普及によりインドのモバイル市場は急拡大.png
 
 
 
オンライン・サービスが小さな町や農村部に広がったことも、人々の住む場所やライフスタイルに関する選択肢が増える要因となっている。彼らはもはや、現代的なライフスタイルを求めたり様々な娯楽を満喫するために大都市に住む必要はなくなっている。主婦のヘムラタさん(29)は、インターネットのおかげで、密集したムンバイを離れ、ナーグプルという小都市で家族一緒によりよい生活を送れるようになったと言う。彼女は兄弟と一緒に衣料品のオンライン・ビジネスを始めようとしている。
 

伝統に現代的な味付け 

とはいえ、こうした消費者に商品を売り込もうとする企業は、インド社会に根付いた家族や国民性の重要性を理解しなくてはならない。インドの消費者は価格を重視し、現代的な商品を受け入れているが、伝統を大切にした商品を求める傾向も強まっている。
 
創意性あふれる現地企業は、そうした要求に応えようとしている。伝統的な商品に現代的な味付けを加えることで、これらの新規参入企業は、イノベーションよりもコスト削減を重視しているように見える多くの多国籍企業から市場シェアを奪い取っている(図表2)。例えば、急成長を遂げているパタンジャリ・アーユルヴェーダ社はインドの伝統的なハーブ製品を使ったアーユルヴェーダの魅力を生かした様々な商品を消費者に提供している 。
 
 
 
 
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驚異的な成長を遂げている非公開会社のヘクター・ビバレッジズ社も好例だ。同社は「ペーパー・ボート」という人気ブランドのジュースで、コカ・コーラやペプシコといった世界的な大企業に挑んでいる。スパイスやハーブが効いたそのジュースは、防腐剤や着色料、炭酸を使っておらず、アームパンナ(青マンゴー)、チリ・グアバ、 ニールモール(スパイス入り塩味ラッシー)などのフレーバーをそろえている。
 

投資機会が拡大 

こうした変化が進む中、ABではインドの将来について明るい見方をしている。今後の実行力もカギを握っているが、政府の改革指向は間違いなくインドの成長トレンドを支えている。テクノロジーは消費者に力を与え、日々の生活に影響を及ぼしている。投資家は、イノベーションを推進し、ビジネスモデルを変革し、新たに生まれるビジネスチャンスに適応できる企業を見極めることによって、この大きなチャンスを捉え、長期にわたり利益を享受することができる。
 
 
 
 
 
当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

https://blog.abglobal.com/post/en/2017/02/indian-consumers-embrace-disruption-in-era-of-change

 

 

 
 
当資料は、2017年3月1日現在の情報を基に、ABが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。文中の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨 するものではありません。 当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。アライアンス・バーンスタインおよびABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 
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