knowledge openspace 知の広場

インドネシアは電子商取引で第2の中国になれるか?

LilianaDearth.jpg

リリアナ・デース(写真)  

アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
エマージング・コンシューマー株式運用/
インターナショナル・ディスカバリー株式運用 
ポートフォリオ・マネジャー
 
 
デニス・ボイントン 
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
エマージング・コンシューマー株式運用
シニア・リサーチ・アナリスト 兼
共同ポートフォリオ・マネジャー
 

 

 

PDF版をご希望の方はこちら pdf

2017年2月7日

 

インドネシアは電子商取引の分野で第2の中国になることができるだろうか? インドネシア各地の消費者に対しヒヤリングを行った結果、同国ではオンライン革命が進みつつあり、投資家にとって大きな成長可能性を秘めていることが分かった。
 
インドネシアではインターネットが爆発的な伸びを示しており、利用者数は2015年の9,200万人から2020年までに倍以上に拡大し、2億1,500万人に達すると予想されている。
 
また、約2億5,500万人に上る国民の中では中間所得層が拡大しており、スマートフォンの普及も進んでいる。その結果、インドネシアは今後数年のうちに主要な電子商取引の市場となる可能性が高い。しかし問題点も抱えており、最も有望な投資対象を見定めるには時間がかかるかもしれない。
 
インドネシアは、電子商取引の普及率が多くの先進国を上回っている中国と比較しやすい。例えば、どちらの国も巨大な市場と人口を抱え、国民の可処分所得が増加しているため新たな商品やサービスへの需要が拡大している。
 
一方で大きな相違点もある。まず、インドネシアは無数の島々から成る広大な国家で、人が住んでいる島は6,000もある。中国と比べインフラ整備が遅れているため、商品の配送に困難が伴うことがある。
 
アライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)では最近現地調査を実施し、ジャカルタの都市部からシドアルジョの農村にわたる幅広い地域の消費者に話を聞いた。その結果、物流体制、道路のインフラ、オンライン決済などに関し重要な改善が進んでおり、オンライン革命の土台が整ってきていることが分かった。
 

渋滞を回避

ジャカルタの混雑した路上では、どこまでも続く渋滞の中をおびただしい数のバイクが我先にと前に進もうとしている。多くのバイクには「GO-JEK」のロゴが描かれた緑色のジャケットやヘルメットを身に着けたライダーがまたがっている。スマートフォン・アプリのGO-JEKは、2015年にサービスを開始して以来、インドネシアにおける物流革命の先頭を走ってきた。モノやサービスの配達を新たなレベルに押し上げたと言って良い。消費者は家にいながらにして医薬品、日用品、映画チケットなど様々な品物をインターネットで注文し、その日のうちに入手できるようになった。
 
インドネシア第2の都市スラバヤでは、配送会社JNEの代理店オーナーが、電子商取引はわずか数年前には存在しなかったが、今や収入の半分を占めるようになったと語った。
 
決済システムは驚くほどしっかり構築されている。インドネシアには電子マネーのライセンスを取得した業者が21社あり、その多くは全国的にネットワークを張り巡らしている銀行と提携している。また、多くの売り手は顧客との関係を築くため、代金引換方式を積極的に活用している。
 
例えば、スラバヤに住む教師で30歳のファーマンシアさんは、シンガポールから輸入した中古の自動車部品をネットで販売している。買い手は多くが地元の人々であるため、自動車マニアと交流するために代金引換方式を好んでいる。
 

成長への障害を乗り越える

それでも成長に向けて数多くの課題が残されている。消費者の多くは依然として性能の低いスマートフォンを使っており、容量が小さいため利用できるアプリが限られている。その結果、衣料品から中古の自動車部品まで、あらゆる品物を購入する上でソーシャルメディアがオンライン・ショッピングのツールとなった。さながらネット上のバザーで、現在は低い固定費と地元のフォロワーを生かしたコミュニティーだが、長期的にはより大規模でしっかりした企業が行う電子商取引に発展するきっかけとなり得る。
 
ジャカルタでは、31歳のデヴィさんが、どのようにしてインスタグラムやフェイスブックでビキニを販売するオンラインショップを作ったか話してくれた。彼女は今、毎週30着のビキニをフォロワーに販売している。
 
オンライン販売の成長を阻んでいる他の要因としては、モバイル通信ネットワークのインフラや詐欺行為が挙げられる。ジャカルタを離れれば、多くの人々はインターネットに接続しようとしても低速の3Gサービスしか利用できないため、地方の消費者がモバイル端末を通じてできることには限界がある。
 
また、オンライン・ショッピングで詐欺に遭ったという話もよく耳にする。そのため、多くのインドネシア市民は安全のため、一度に30万ルピア(約22米ドル)以上の買い物はしないよう気を付けている。
 
いずれはインフラ投資の拡大や詐欺対策の進化により、こうした問題は解決されると見込まれる。売り手はレビューや、返品・交換制度の確立により評価を高め、消費者の信頼感を得ようとするだろう。すでに、トコペディアなどの企業はサイトに売り手のレビューを掲載するとともに、オンライン・ユーザーの啓蒙に乗り出している。
 

非寡占市場 = 投資機会

インドネシアが電子商取引の大市場になるには、まだまだ不足しているものも多い。どの企業が市場リーダーになるのかも依然として不明確だ。しかし、価格競争力、商品の選択の幅、そして何よりも信頼感の構築を通じ、市場リーダーが明確になっていくと思われる。それでも、アリババが電子商取引市場を支配している中国と比べれば、インドネシアはより寡占度の低い市場となるのかもしれない。
 
今のところ、電子商取引ブームの大きな勝者は消費者であり、インドネシアのオンライン文化の発展における投資家の役割は限られている。市場が拡大するのに伴い、投資家はデータ通信量の増加による恩恵を受けそうな通信会社、あるいはオンライン・バンキングや電子ウォレットの利用拡大が追い風になるとみられる銀行などに注目すべきである。今後はインドネシア全体に電子商取引が広がるのに伴い、多くの企業が市場シェアを拡大し、電子商取引の波に乗るための取り組みを進めるとみられ、ABではそれが大きな投資機会をもたらすと予想している。
 
 
 
 
 
 
当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

 

 

 

本文中の見解はリサーチ、投資助言、売買推奨ではなく、必ずしもABポートフォリオ運用チームの見解とは限りません。本文中で言及した資産クラスの過去のパフォーマンスは将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。 
 
当資料は、2017年1月5日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。文中の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。アライアンス・バーンスタインおよびABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 

 

 

 

 

 

当資料についてのご意見、コメント、お問い合わせ等はjpmarcom@abglobal.comまでお寄せください。

 

アライアンス・バーンスタイン株式会社

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第303号 
【加入協会】一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会/日本証券業協会/一般社団法人第二種金融商品取引業協会
http://www.alliancebernstein.com

 

当資料についての重要情報

当資料は、投資判断のご参考となる情報提供を目的としており、勧誘を目的としたものではありません。特定ファンドの取得をご希望の場合には当該ファンドの目論見書をご覧いただき、投資に関する最終決定はお客様ご自身の判断でなさるようお願いします。下記の内容は、ファンドをお申込みされる際に、投資家の皆様にご確認いただきたい事項としてお知らせするものです。
 

投資信託のリスクについて

アライアンス・バーンスタイン株式会社の設定・運用する投資信託は、株式・債券等の値動きのある金融商品等に投資します(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)ので、基準価額は変動し、投資元本を割り込むことがあります。したがって、元金が保証されているものではありません。投資信託の運用による損益は、全て投資者の皆様に帰属します。投資信託は預貯金と異なります。リスクの要因については、各投資信託が投資する金融商品等により異なりますので、お申込みにあたっては、各投資信託の投資信託説明書(交付目論見書)、契約締結前交付書面等をご覧ください。


お客様にご負担いただく費用:投資信託のご購入時や運用期間中には以下の費用がかかります
● 申込時に直接ご負担いただく費用 …申込手数料 上限3.24%(税抜3.00%)です。
● 換金時に直接ご負担いただく費用…信託財産留保金 上限0.5%です。
● 保有期間に間接的にご負担いただく費用…信託報酬 上限2.0304%(税抜1.8800%)です。

その他費用:上記以外に保有期間に応じてご負担いただく費用があります。目論見書、契約締結前交付書面等でご確認ください。

上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的なファンドを想定しています。費用の料率につきましてはアライアンス・バーンスタイン株式会社が運用するすべてのファンドのうち、徴収するそれぞれの費用における最高の料率を記載しております。

ご注意

アライアンス・バーンスタイン株式会社の運用戦略や商品は、値動きのある金融商品等を投資対象として運用を行いますので、運用ポートフォリオの運用実績は、組入れられた金融商品等の値動きの変化による影響を受けます。また、金融商品取引業者等と取引を行うため、その業務または財産の状況の変化による影響も受けます。デリバティブ取引を行う場合は、これらの影響により保証金を超過する損失が発生する可能性があります。資産の価値の減少を含むリスクはお客様に帰属します。したがって、元金および利回りのいずれも保証されているものではありません。運用戦略や商品によって投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることから、リスクの内容や性質が異なります。また、ご投資に伴う運用報酬や保有期間中に間接的にご負担いただく費用、その他費用等及びその合計額も異なりますので、その金額をあらかじめ表示することができません。

 

 

戻る

著者一覧

page top